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平安時代に開湯?湯村温泉の歴史についてご紹介

兵庫県・鳥取県の境目付近に位置していて、老舗旅館やモダンな宿が軒を連ねている温泉地であるのが湯村温泉です。
本記事では、そんな平安時代に開湯されたと言われている湯村温泉の歴史についてご紹介していきます。

湯村温泉の歴史について

湯村温泉は今からおおよそ1200年前、平安時代初期の嘉祥元年に「慈覚大師」により発見されたと伝えられている古湯です。
「慈覚大師」は、その湯村温泉の開発指導を行うことになった天台宗の第3世座主です。
山陰地方を通り、この地に立ちよったことで発見されたと言われています。
ただ一方で、湯村温泉のことを示しているような木簡(もっかん)も見つかっており、奈良時代には既に湯村温泉が開湯していたという説もあります。
その後、湯村温泉の名が知れ渡った出来事として、テレビドラマ「夢千代日記」の放送が在ります。
「夢千代日記」は昭和56年に放送されたテレビドラマで、湯村温泉が舞台となり、一躍その温泉地名が日本全体に知れ渡るようになりました。
湯村温泉の春来川沿いには、夢千代の出演者である主人公を演じた吉永小百合や作家の早坂暁氏をはじめ、夢千代に関わった有名人の手形が刻まれています。

そんな湯村温泉の特徴は?

湯村温泉の特徴

春来川沿いに湧き出ている元湯は「荒湯」と呼ばれており、98度の高温泉が毎分470リットルも湧き出ています。
深い円筒状の穴を開ける作業である「ボーリング」が不要で、深度数十メートルから常に湧き出しており、需要量よりも湧出量が豊富な温泉なのです。
そのため付近の温泉旅館はもちろん、各家庭にも配湯されており、湯村に住む人々の生活には欠かすことができないものとなっているのです。
湯村の温泉には重曹がたくさん含まれているため、温泉湯でたまごや豆腐を茹でても表面が滑らかでプルプルの食感を保ち、美味しく仕上がります。
温泉の熱を利用して作られる「荒湯の温泉たまご」や温泉湯で茹でた「荒湯豆腐」は湯村の街の名産とも言えるでしょう。
また春来川沿いには長さ約7mの日本一長い、天然かけ流しの足湯スペースが設けられています。
昔、農作業の帰りや旅人が疲れた足を癒やすため、川から溢れている温泉に足を浸けてひと休みしていたことがこの足湯の始まりとされています。
じんわりと身体の芯を温めるような足湯に浸かって、心も身体もほっこりとほぐされてみてください。

湯村温泉の泉質や効能とは?

湯村温泉の泉質や効能

温泉の飲料利用においては、慢性便秘・慢性消化器病・痛風・肥満症といった症状に効果があるとされています。
肌に優しい弱アルカリ性の泉質を持ち、湯上り後も身体がサラサラ・ツルツルとしていて、時間が経っても身体の芯からポカポカとした温かさが持続します。
お湯自体はほとんど無味無臭なのですが、口に含むと少しとろみがあるのが特徴です。
このとろみはお湯に重曹が含まれていることからきています。
前項でも少し触れたように、荒湯でたまごや豆腐、山菜などを茹でることでアクが抜け、美味しく仕上がるのも、この湯村のお湯ならではの現象です。
そしてこの効果こそが、私たちのお肌にも特別な効果をたくさん与えてくれるのです。
温泉の泉質は、炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性・高温泉)です。
温泉の効能としては、慢性消化器病・筋肉痛・関節痛・五十肩・打身・運動麻痺・疾病・切傷・火傷・慢性皮膚病・冷え性・慢性婦人病・動脈硬化症・虚弱体質などが挙げられます。

おわりに

本記事では、平安時代に開湯されたと言われている湯村温泉の歴史についてご紹介しました。
歴史を重ねてきた湯村温泉は、今もなお湧出量も泉質も変わることなく温泉が湧き出し続けています。
歴史の古い湯村温泉でさまざまな効能がある温泉に浸かりながら、ゆったりとした時間を味わってみてはいかがでしょうか?